リビング階段
リビング階段という家づくりの新発想があります。これは2階建て以上の家を建てる際に、階段をリビングに設けるというものです。伝統的な日本家屋では階段と言うのは廊下にあるもので、リビング=居間に階段があるというのはかなりの違和感があります。大ヒットしたアニメ映画「となりのトトロ」に登場するさつきとメイの家は伝統的な日本家屋なので階段は廊下にあります。そこに「真っ黒くろ助」がいて物語が進行するのですが、映画であの家を見て違和感を持った人はほとんどいないと思います。それでは同じく「となりのトトロ」で、ちゃぶ台にて家族が朝食を食べているシーンがあります。その部屋のどこかに2階に上がる階段があったらどうでしょうか。やっぱり変ですね。 リビング階段というのはその「やっぱり変」なものと認識してしまいます。ですが近年このリビング階段が家族の人間関係にとって良いものであるという認識が生まれ、家づくりにおいて選択肢のひとつとなっています。それはなぜでしょうか。
一般的な家庭で子供が大きくなると次第に親とは微妙な関係になり始めます。反抗期とまではいかなくても、親と顔を合わせるのを嫌ったりこそこそと隠れて家を出入りしたりするようになります。それが廊下に階段がある家であれば、親と顔を合わせずに2階の自室と出たり入ったりすることが出来るので、親としては子供がいったい何をしてるのか分かりません。ですが、リビングに階段があったらどうでしょうか。2階にある自室に子供が行こうと思うと必ずリビングを通らなければ上がることが出来ません。そうなると否応無しに親と顔を合わせるので何かこそこそと隠れて悪いことをしようとしてもその歯止めになります。日々のコミュニケーションも取りやすくなるので、子供が微妙な年齢に差し掛かった時に家族の人間関係に良い影響を与えるというのです。 これは確かに言えてるかも知れません。筆者はマンション育ちなので実家にリビング階段はありませんでしたが、居間である部屋を通過しないことには自室に帰ることが出来ませんでした。つまり居間で必ず親と顔を合わせます。しかも親は社交的な人なので居間に来客が来ていることが多く、嫌でも来客に挨拶する必要がありました。そのお蔭で人と接するのが好きになりましたし、親との人間関係も特段悪くなることがなかったのかも知れないと思うと、筆者にとってはその居間がリビング階段の役割を果たしていたのだと思います。